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玉造稲荷神社夏祭で「なにわの伝統野菜」を食す

15日、16日は玉造稲荷神社夏祭だ。
15日の宵宮では参拝者に「くろもん寿司」が振る舞われた。
玉造くろもん2.JPG
ネタは神社境内の一角で栽培した越瓜(しろうり)を昆布で味付けしている。
その果実は長さ約30cm、太さ約10cmの長円筒型で、濃緑色で8~9条の白色の縦縞がある。
「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)」と呼ばれ、「なにわの伝統野菜」に認証されている。

江戸時代前期に西成郡木津村・今宮村で促成栽培されていた越(白)瓜が祖で、徐々に「玉造村」にも広がってきた。
「大坂城玉造門」付近で栽培されるようになり、「玉造門」が黒塗りで「黒門」と呼ばれていたことから名付けられた。

江戸時代中頃には「玉造村」は幕府より酒造りの権利(酒造株)が与えられ、多くの酒造業者が集まった。
酒造りから出る酒糟に「玉造黒門越瓜」を付けたかす漬けは「浪花名産」に数えられた。
大阪市立玉造小学校からは1700年代中頃の酒造竈が発掘されており、その名残を伝えている。

明治以降の近代化・都市化で、玉造から「玉造黒門越瓜」をはじめとした市場、田畑、酒造業者が次々と姿を消していった。
この地に「玉造黒門越瓜」が戻って来たには平成14年だ。
玉造くろもん1.JPG平成16年には神社の境内に石碑が建立された。
江戸時代、「天下の台所」と呼ばれた「大坂」は食文化が栄え、その食文化を支える大阪独特の野菜が多くあった。
しかし戦後、農産物の生産性を上げるための品種改良や農地の宅地化、食生活の洋風化で地域独特の歴史や伝統を有する品種が次々と消えていった。
このような伝統ある野菜の見直す取り組みが始まった。
大阪府では「なにわの伝統野菜」の発掘して認証制度を設けている。
認証基準として3項目挙げられている。
・ 概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜
・ 苗、種子等の来歴が明らかで、大阪独自の品目、品種であり、栽培に供する苗、種子等の確保が可能な野菜
・ 府内で生産されている野菜

大和川流域に関わる「なにわの伝統野菜」として大阪市に「玉造黒門越瓜」や「勝間南瓜(こつまなんきん)」「田辺大根」など8品目、羽曳野市に「碓井豌豆(うすいえんどう)」が認証されている。

参考:
玉造稲荷神社
http://www.inari.or.jp/menu.html

大阪府「なにわの伝統野菜」
http://www.pref.osaka.lg.jp/nosei/naniwanonousanbutu/dentou.html
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