平野に「力士」がゆく
３月１３日に初日を迎える大相撲春場所（大阪場所）を前にして、ちょんまげを結った力士が郷土・平野をゆく姿を見かけるようになった。
かつて平野は相撲が盛んで、野原で子供たちが相撲をとる光景が見られたそうだ。
平野区内では加美の旭神社に友綱部屋、長吉に片男波（かたおなみ）部屋、そしてかつて相撲「喜連場所」があったという喜連に東関部屋が宿舎を構えている。
東関部屋といえば、横綱の曙や高見盛ら人気の力士がいた。
南口地蔵尊前の道路が環濠跡だ。
１９６１（昭和３６）年から環濠が埋め立てられ、道路の一部になるに伴って地蔵尊が現在地に移設された。
宿舎に隣接する長橋家は江戸中期に建造され、その門は船板を転用している。
門前の縁石はかつての環濠に架かっていた「橋」の幅に相当するという。
東関部屋の宿舎は「平野郷」の大念仏寺に構えていたが、平成２４年から喜連に移った。
それを機会に喜連環濠地区まちづくり研究会主催で「こども餅つき大会」が開催されるようになった。
２８日、その三回目が楯原神社で開催された。
１１時頃から東関部屋の力士らが餅つきとちゃんこを地元の子どもらに振る舞った。
蒸し上がった餅米を臼に空けて杵でつぶした。
杵に餅が付くようになれば、ぬるま湯で手を湿しながら餅を折り畳むように中央部に手返しする。
大きな体の力士には杵が小さく見える。
一回つくごとに一回手返し、途中に１～２回、餅全体を持ち上げひっくり返す。
手返しするぽっちゃりした手はさながら餅のようだ。
粒がなくなってなめらかになったら出来上がりだ。
「ちゃんこ」とは本来、相撲部屋において「力士（ちゃんこ番）」の作る手料理のことで、その中でも特に広く知られているのがちゃんこ鍋だ。
一度に簡単、大量に調理できて栄養のバランスが良く、さらに鍋を囲むことで連帯感も生まれる。
そのため力士の適した食事として相撲部屋では毎日のように「ちゃんこ」が食べられるが、材料や味付けは多彩にあって飽きることはないという。
その料理の仕方は手でちぎった野菜や大まかに切った肉や魚をドバっと入れて豪快に作るのが相撲界ならではという。
確かに宿舎のちゃんこ場で下ごしらえされた大きな鍋にキャベツ、シメジ、ネギなどを順にわしづかみに入れて煮込んだ。
しばらくするといい香りが漂ってきた。
古墳時代に相撲を撮る埴輪が作られるなど相撲の歴史は古い。
その発祥地と伝承されているのが「山の辺の道」から山手に上った穴師坐兵主（あなしにいますひょうず）神社の鳥居の近くに鎮座する相撲神社だ。
「出雲国」の野見宿禰（のみのすくね）と當麻蹶速（たいまのけはや）が天皇が観覧する日本初の天覧相撲を行ったと伝承されている。
その様子を記した『日本書紀』垂仁天皇７年条に、當麻蹶速の腰を踏み折って勝った野見宿禰が天皇から与えられた當麻蹴速の「大和国当麻」が「腰折田」と呼ばれた。
その伝承地が香芝市を通る国道１６８号線良福寺交差点の西側に残っている。
葛城市當麻には「史跡當麻蹶速之塚」の石柱がある。
「出雲国」には桜井市出雲との説もあり、その地に鎮座する十二柱神社には野見宿彌の顕彰碑や五輪塔がある。
相撲の取り方や儀式は時代とともに変遷してきた。
現在の円形の土俵で取る際の儀式の一つに「力水（ちからみず）」の作法がある。
力士が土俵に上がったときに他の力士から渡される清めの水で、神聖な土俵に上がる時に身を清めるものだ。
水桶を白房下と赤房下の東西に１個ずつ配置し、呼び出しが水桶から柄杓（ひしゃく）で水を汲んで「力水をつける」役の力士に渡して力水にする。
土俵上の力士は柄杓を受けるが、これを飲まないで一口だけ含む。
力水をつけた後、次いで渡される「力紙（半紙を半裁し二つ折りにしたもので化粧紙ともいわれる）」で口や顔の汗などを拭いて含んだ水を桶の横にある盥に吐いて身を清める。
また「力水をつける」順序がある。
その役の力士は前の取組で勝者に限られており、次の力士に力水をつけるまで土俵下で待機する。
負けた力士は取組を終え土俵を降りてともに退場する。
ただ番付や取り組みでその順序は異なっており、その確認しながらテレビ観戦しても面白そうだ。
参考：
ブログ版『大和川水紀行』＜「喜連郷」を歩く＞
http://fuji-u.blog.so-net.ne.jp/2012-08-05
東関部屋
http://www.azumazeki.jp/
友綱部屋
http://www.tomozuna-beya.jp/
片男波部屋
http://kataonami.com/
かつて平野は相撲が盛んで、野原で子供たちが相撲をとる光景が見られたそうだ。
平野区内では加美の旭神社に友綱部屋、長吉に片男波（かたおなみ）部屋、そしてかつて相撲「喜連場所」があったという喜連に東関部屋が宿舎を構えている。
東関部屋といえば、横綱の曙や高見盛ら人気の力士がいた。
南口地蔵尊前の道路が環濠跡だ。
１９６１（昭和３６）年から環濠が埋め立てられ、道路の一部になるに伴って地蔵尊が現在地に移設された。
宿舎に隣接する長橋家は江戸中期に建造され、その門は船板を転用している。
門前の縁石はかつての環濠に架かっていた「橋」の幅に相当するという。
東関部屋の宿舎は「平野郷」の大念仏寺に構えていたが、平成２４年から喜連に移った。
それを機会に喜連環濠地区まちづくり研究会主催で「こども餅つき大会」が開催されるようになった。
２８日、その三回目が楯原神社で開催された。
１１時頃から東関部屋の力士らが餅つきとちゃんこを地元の子どもらに振る舞った。
蒸し上がった餅米を臼に空けて杵でつぶした。
杵に餅が付くようになれば、ぬるま湯で手を湿しながら餅を折り畳むように中央部に手返しする。
大きな体の力士には杵が小さく見える。
一回つくごとに一回手返し、途中に１～２回、餅全体を持ち上げひっくり返す。
手返しするぽっちゃりした手はさながら餅のようだ。
粒がなくなってなめらかになったら出来上がりだ。
「ちゃんこ」とは本来、相撲部屋において「力士（ちゃんこ番）」の作る手料理のことで、その中でも特に広く知られているのがちゃんこ鍋だ。
一度に簡単、大量に調理できて栄養のバランスが良く、さらに鍋を囲むことで連帯感も生まれる。
そのため力士の適した食事として相撲部屋では毎日のように「ちゃんこ」が食べられるが、材料や味付けは多彩にあって飽きることはないという。
その料理の仕方は手でちぎった野菜や大まかに切った肉や魚をドバっと入れて豪快に作るのが相撲界ならではという。
確かに宿舎のちゃんこ場で下ごしらえされた大きな鍋にキャベツ、シメジ、ネギなどを順にわしづかみに入れて煮込んだ。
しばらくするといい香りが漂ってきた。
古墳時代に相撲を撮る埴輪が作られるなど相撲の歴史は古い。
その発祥地と伝承されているのが「山の辺の道」から山手に上った穴師坐兵主（あなしにいますひょうず）神社の鳥居の近くに鎮座する相撲神社だ。
「出雲国」の野見宿禰（のみのすくね）と當麻蹶速（たいまのけはや）が天皇が観覧する日本初の天覧相撲を行ったと伝承されている。
その様子を記した『日本書紀』垂仁天皇７年条に、當麻蹶速の腰を踏み折って勝った野見宿禰が天皇から与えられた當麻蹴速の「大和国当麻」が「腰折田」と呼ばれた。
その伝承地が香芝市を通る国道１６８号線良福寺交差点の西側に残っている。
葛城市當麻には「史跡當麻蹶速之塚」の石柱がある。
「出雲国」には桜井市出雲との説もあり、その地に鎮座する十二柱神社には野見宿彌の顕彰碑や五輪塔がある。
相撲の取り方や儀式は時代とともに変遷してきた。
現在の円形の土俵で取る際の儀式の一つに「力水（ちからみず）」の作法がある。
力士が土俵に上がったときに他の力士から渡される清めの水で、神聖な土俵に上がる時に身を清めるものだ。
水桶を白房下と赤房下の東西に１個ずつ配置し、呼び出しが水桶から柄杓（ひしゃく）で水を汲んで「力水をつける」役の力士に渡して力水にする。
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友綱部屋
http://www.tomozuna-beya.jp/
片男波部屋
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2016-02-28 17:08
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