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小水力発電の普及には

小水力発電に関する講演会(主催:関西広域小水力利用推進協議会)に参加した。

小水力発電とは1000kw以下の水力発電のことで、再生可能エネルギーの一つだ。
その事例として白山の麓にある岐阜県郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)地区が紹介された。
現在、農業用水路などを利用したらせん型水車と上掛け水車が稼働している。
冬季でも融雪のために水を利用しており、ほぼ年間通じて発電可能になっている。
「お金を稼ぐ地域振興」ではなく、「お金を流出させない地域づくり」を目標に、今後も小水力発電を設置して
エネルギーの自給自足を目指している。

関西広域小水力利用推進協議会には現在、全国で244件の小水力発電が登録されている。
その中に「長居配水場水力発電所」が登録されているものの、大和川流域にはない。
かつては巻向山の車谷や生駒山西麓の辻子谷では水車を動力源として製粉していた。
しかし小水力発電できるほどの安定した水量は望めない。
小水力発電.JPG
(撮影日2011.11.25)
これは京都の観光名所・嵐山にある小水力発電所だ。
桂川(大堰(おおい)川)に架かる渡月橋の少し上流にある一ノ井堰の左岸に設置されている。
京都嵐山保勝会が所管しており、渡月橋の欄干の足元の灯に利用されている。

東日本大震災に伴う福島第一原発事故で自然エネルギーの普及が求められている。
その中で注目されているのが小水力発電だ。
山間部では谷水が、平野部でも農業用水路がめぐっている。
しかし設置するのはそう簡単なことではないことが、国交省の役人による「水利権について」の講演会でわかった。
たとえ農業用水路で流水を利用するだけでも、ゴミが詰まったり、増水で施設が壊れたりした時のことを考えると審査が厳しくなるのも理解できる。
また農業用の慣行水利権をそのまま小水力に転用できなくなっている。
せめてその認可を柔軟にしていかないと普及は望めないだろう。

2011年末時点での太陽光など再生可能エネルギー普及状況を見ると、1000kw以下の中小水力発電は約20万kwだ。
風力の約250万kw、地熱の約50万kwよりも低い。
今年度の再生可能エネルギーの固定価格買取制度では、水力は200kw以上1000kw未満で30.45円だ。
個人でもできることは発電事業者への出資などが考えられるが、それも今後の買取価格の動向次第だろう。

参考:
関西広域小水力利用推進協議会
http://kansai-water.net/

京都嵐山保勝会
http://www.arashiyamahoshokai.com/akari.html

国土交通省「水管理・国土保全」
https://www.mlit.go.jp/river/riyou/syosuiryoku/index.html
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