SSブログ

中之島の水辺

「中之島バラ園」に行った。
昭和56年に開園されて以来、リニューアルを重ねて現在は約310品種、3700株植えられている。
堂島川と土佐堀川を南北に結ぶ水路には「ばらぞの橋」が架かっている。
西側のイングリッシュガーデンの中ほどには噴水から流れ出る細い水路がある。
中之島1.JPG
バラ園のある中之島公園は明治24年に大阪市で初めての都市公園として誕生した。
その東端の剣先にある平成21年に開催された「水都大阪2009」に合わせて大噴水ができた。
堂島川から取水してろ過・殺菌処理し、風を考慮しながら自動調整して最長約60m、最高約20mのアーチを描き出している。
中之島9.JPG
(撮影日2009.10.4)
剣先の少し下流の松屋町筋に架かるのが天神橋だ。
文禄3(1594)年に公儀橋として架橋されたという。
現在の橋は昭和9年に完成したものだ。
北詰には明治時代の旧天神橋の橋名額が残っている。
中之島10.JPG
バラ園の西端を通る堺筋に架かるのが、「ライオン橋」と呼ばれる難波橋だ。
奈良時代に行基が架けたという説もある。
江戸時代の難波橋は一つ西の筋に架けられていた。
大正4年に市電を通すために現在地に架け替えられたアーチ橋を継承して、昭和50年に完成した。
橋の四隅の親柱にヨーロッパでは水神とされているライオン像が鎮座している。
中之島2.JPG
上流から天満橋、天神橋、そして難波橋は「浪華三大橋」とされた。
かつて大阪は「浪華八百八橋」といわれた。
実際には二百足らずだったが、それほど多くの橋があって名所になった。
北側の堂島川と南側の土佐堀川に挟まれた中之島にも多くの橋が架けられた。

堂島川に架かる鉾流橋(昭和4年完成)の袂には大阪天満宮の御旅所があり、天神祭の鉾流神事が行われている。

堂島川に架かる人道橋の水晶橋(昭和4年完成)は、もともとは河川浄化を目的にした堂島川可動堰だった。
照明灯が水面に移る様子が水晶の輝きに似ている事から名付けられたそうだ。
中之島3.JPG
御堂筋には堂島川に大江橋、土佐堀川に淀屋橋(昭和10年完成)が架かっている。

昨年完成したばかりの中之島フェスティバルタワーの南に架かっているのが錦橋だ。
土佐堀川可動堰として昭和6年に完成し、1985年にこの名になった。
人道橋で橋上には大坂の町や橋を描いた錦絵がタイルに装飾されている。
たもとには大坂の橋を相撲番付に見立てた番付があり、東の大関が天神橋、西の大関が難波橋だ。
中之島5.JPG
堂島川に架かる渡辺橋は河村瑞賢の淀川改修工事で誕生した。
江戸時代にはこの界隈は米市場として栄えた。

堂島川に架かる田蓑橋は多くの歌で詠まれた難波八十島の一つの「田蓑島」にちなんで名付けられた。
その南東角にあるダイビルは大正14年竣工当時の外観や内部を保存して再開発された。
「四季の丘」や池が新たに整備された。
中之島6.JPG
田蓑橋北詰には「蛸の松」の石碑とマツがある。
江戸初期に広島藩主・福島正則が京都から堂島川の畔に移植したといわれているクロマツで、その枝ぶりが蛸の泳ぐ姿に似ていたことからそう呼ばれるようになり、摂津の名所になったという。
ただしもとの場所は対岸の中之島センター付近にあり、木も明治末期に枯死したという。
その田蓑橋南詰の南側が広島藩蔵屋敷跡だ。
その発掘調査では荷物を蔵屋敷に運搬するために堂島川から船を入れる「船入」 が見つかっている。
絵図には厳島神社から勧請された鳥居が描かれている。
またもとの畠に川底の浚渫土で盛土して蔵屋敷が建設されたことがわかった。
中之島7.JPG
堂島川北岸の「ほたるまち」には親水施設がある。
堂島川には福島港(ほたるまち港)が整備された。

土佐堀川に架かる湊橋の南詰に「小説「泥の河」舞台の地」の碑がある。
橋下は船だまりになっており、宮本輝が描いた頃の面影を残している。
中之島4.JPG
この下流で北流してきた木津川(写真左)と合流している。
木津川に架かる昭和橋(昭和7年完成)を渡るとすぐ土佐堀川の端建蔵橋(昭和38年完成)、堂島川の船津橋(昭和38年完成)と連続しているが150度ほど曲がっている。
中之島8.JPG
土佐堀川と堂島川が合流して安治川となる。
その北岸(右岸)には大阪市中央卸売市場がある。
江戸時代には最盛期で130超の蔵屋敷が中之島や堂島、西天満などの水の便の良いところに立ち並んだ。
明治時代に廃止された跡地は、学校や工場、倉庫などになり、さらに近代的なビルが林立する街になった。
最近ではタワーマンションも出現しており、公園や遊歩道で子供が遊ぶ姿も見られるようになるかもしれない。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。