SSブログ

亀の瀬を越える

JR河内堅上駅の南側はすぐ大和川だ。
巨岩が転がる光景は大和川ではここでしか見られない。
亀の瀬1.JPG
駅を出て東へ線路沿いに歩くと、線路は大和川を渡ってトンネルに入る。
かつては大和川を渡らずに亀の瀬を越えて奈良方面へ向かっていた。
昭和6(1931)年11月から始まった大規模な地すべりでトンネルや線路が崩壊し、線路は対岸へ移設された。
亀の瀬地すべり対策工事現場内からその名残の「亀の瀬トンネル」の遺構が見つかっている。
亀の瀬2.JPG
亀の瀬は日本有数の地すべり地帯だ。
大和川河川事務所はその対策工事として「抑止工」と「抑制工」を行っている。
「抑止工」としては杭などの構造物を地中に直接打ち込んでいる。
地すべりを緩和する「抑制工」としては水を集める巨大な「集水井」や集めた水を大和川へ流す「排水トンネル」などが至る所に造られている。
亀の瀬3.JPG
工事現場内から大和川の右岸沿いの道を歩いて行くと竜王神がある。
寛政3年に剣先船仲間が奉納したという石灯籠がある。
大坂と河内を往来した剣先船と大和を航行していた魚簗(やな)船が巨岩で航行できなかった亀の瀬で荷物を積み替えていた。
亀の瀬9.JPG
川をしばらく上ると、対岸の川床が少し盛り上がって川幅が狭くなっている。
昭和時代の数度にわたる地すべりで隆起した痕跡だ。
亀の瀬4.JPG
再び工事現場内に戻って峠道へ行くと、峠八幡(やはた)神社とその石段脇に地蔵堂がある。
北の生駒山から南の金剛山に至る山並みの中では高低差が低く、古代から大和と難波(大坂)を結ぶ古道の一つだ。
ちなみに府県境はしばらく下ったところにある。
亀の瀬5.JPG
大和川の右岸に出ると「磐瀬の杜」がある。
JR三郷駅の西側の線路沿いにあり、河川敷を含めてこの一帯は「磐瀬の杜」といわれる龍田大社の神域だった。
毎年、4月には「滝祭」と大和川に魚を放流する「放魚祭」が営まれている。
北東に山手を行くと、「龍田風神」と呼ばれる風の神を祀る龍田大社だ。
毎年7月に行われている風鎮大祭は天武3(674)年から営まれているという。
鳥居の横には航海安全を祈願して奉納した石灯籠がある。
亀の瀬8.JPG
境内には白瀧神社や小池の中島に鎮座している下照神社がある。
亀の瀬7.JPG
参考:
大和川河川事務所
http://www.kkr.mlit.go.jp/yamato/index.php

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。